南イタリアはプーリア州グロッターリエの青文様皿。
リム周りには、白化粧地に褐色顔料で引いた二重輪線と、スポンジ型押しによる青い小花(星)が等間隔に配されています。
これは当時の同地を代表する定型意匠で、19世紀末から20世紀前半にかけてプーリア一帯で広く量産されました。
工房ごとに型や配列は半ば規格化されつつも、押し加減や顔料の含ませ方によって印影には細やかな差異が生じ、一枚ごとに固有の表情を備えています。
現存例は多く、グロッターリエらしさを象徴する視覚的記憶として、当時も今も親しまれ続ける南イタリアの代表的な日用陶器です。